統合失調症に対する差別・偏見について考える
統合失調症に対する差別・偏見に関しておもしろい記事を見つけました。
日本人が抱く精神疾患のイメージ「家族の一員になってもいい」は、うつ病で16%、統合失調症で9%に過ぎず:MedWave Back Number
少し古い記事になりますが、全国2,000人の一般人に対して行った聞き取り調査の結果をまとめている記事です。
調査の内容
調査では、うつや統合失調症に対するイメージと、患者と結婚して家族になってもいいかどうかを聞き取りしました。
その結果、病気のイメージに対しては「個人的な弱さの表れ」「性格の欠点」など、医学的な問題ではなく、個人の性格の問題だと思っている人が約40%いました。
これについては偏見ですね。
まあ、約15年前の記事なので、今よりも病気に対する理解が世間的に得られていなかったのだと思います。
次に、うつ病や統合失調症の患者と結婚して家族になってもいいかどうかという質問には、それぞれ16%、9%の人がうつ病患者、統合失調症患者と家族になってもいいと答えました。
これに関しては、差別や偏見ではないと思います。
統合失調症の場合は、とくに子どもへの遺伝の問題もあるので、子どもがほしい人なら健常者との結婚を望むのは仕方ないでしょう。
差別・偏見とそうでないものを分けて考えるべき
この調査を行った中根氏は、
と結論付けています。
もちろん、病気に対するイメージという点では偏見を持つ人が約40%いたのは事実ですが、家族になりたいかどうかを差別・偏見と結論づけるのはおかしいと思います。
差別・偏見とそうでないものを、ごちゃ混ぜにして考えるべきではないと思うんですよね。
間違った偏見は変えられる
病気を性格的な問題だとする偏見は、今では病気が世間に認知されてきているため、少なくなってきています。
また、精神疾患を義務教育で教えてほしいという署名活動が行われたりなど、偏見を変えようとする活動も少なくありません。
ちなみに、この署名活動には私も署名しました。
偏見ではないもの
一方、結婚して子どもがほしい場合など、偏見ではないものもありますよね。
統合失調症の母から身体的・心理的虐待を受けていた私からすると、実際に実害を受けていたわけですから、すべてを差別・偏見という言葉で片付けてほしくはないです。
病気の程度にもよりますが、実際に周囲に被害を及ぼす患者というのはいます。
精神疾患に対して多くの人が正しい知識を持つことには賛成ですが、かといって患者が健常者と同じように見られるようになるかというと、それは難しいんじゃないかなと思います。