毒親育ちのブログ

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子供に親の精神疾患を押しつけるのはやめてください

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近年、日本では精神疾患を患っている人が増えています。

厚生労働省のデータによると、平成29年の精神疾患統合失調症躁うつ病神経症性障害、その他)の患者数は400万人を超えています。

この中には、子供がいる人も少なからずいるでしょう。

子供は親を選ぶことができないので、必然的に親の精神疾患を受け入れなければなりません。

子供に事情を説明して精神疾患を受け入れてもらうのならいいと思いますが、強引に押しつけている親も少なくないと思います。

精神疾患の押し付けとは?

何が精神疾患の押し付けになるかというと「子供は親の病気を受け入れて当然、我慢して当然」という態度でいることです。

子供とまともに向き合おうとせず、ただ大人の都合を押し付けるだけ。

そして自分の問題をすべて子供の問題にすり替える。

精神疾患の方が全員こうだというわけではありませんが、少なくとも私の親はこんな感じでしたね。

精神疾患の親に同じような仕打ちをされていた方は、少なくないのでは?と思います。 

精神疾患の押し付けになる例

具体的に、どういうことが精神疾患の押し付けになるのか、私の例をご紹介します。

たとえば、私は就学するまで、統合失調症の母親からほぼ会話らしい会話をしてもらえませんでした。

話しかけても無視されるか、よくて一言しか返ってこないので、それを父親に言ったところ「お前のお母さんなんだからそんなことを言うな」と言われ、話を終わらされました。

これっておかしくないですか?

私は当時、母が病気だと教えてもらっていなかったので、なぜ私を無視するのか理由がわからず悲しかったんですよね。

無視は小学校でもよくあるいじめですが、これを物心がついたときから実の親から毎日やられると本当に傷つきますよ。

まるで自分が人間の言葉を話せない動物か、空気にでもなったように感じます。

でも、私の父はいくら母に問題があっても、すべて見て見ぬふりでした。

 

普通の家庭であれば、こういうときは話し合いをするんじゃないですか?

もしくは父親が母親に注意するかのどちらかだと思います。

でも私の家庭では、話し合いというものは一切なく、子供は親のどんな理不尽な仕打ちでもすべて受け入れなければなりませんでした。

父は、母の味方をしないといけないと思っていたのかもしれません。

ただ、このやり方は両親にとっては楽かもしれませんが、子供にとっては地獄なんですよね。

結局、親からどんなに理不尽なことをされても、私は受け入れるしかありませんでした。

 

もし親から精神疾患を打ち明けられ「お母さんは病気であまり話せなくてごめんね」と一言でも言われていたら、私も理解しようとは努力したと思います。

でも、精神疾患のことを何も子供に言わないで「文句言わずに受け入れろ」というだけでは、あまりにも無責任で卑怯だと思います。

子供がSOSを出したときは、せめて聞く耳を持ってあげてほしいですし、問題解決のために夫婦間や親子間で話し合いをしてほしいです。

子供は物でもペットでもありません。1人の尊重すべき人間です。

子供には親の精神疾患を押し付けるのではなく、理解してもらえるように努力してほしいですし、子供が悲しんだり辛い思いをしたりするのを当然だと思わないでほしいのです。 

ネグレクトや虐待は正当化できない

「病気で疲れているから」という理由で子供を放置したり怒鳴ったりして、それを正当化しようとする親は許せませんね。

自分がしんどいからという理由ですべてを子供に受け入れさせようとする親は、最初から子供を作らないほうがいいです。

精神疾患の当事者って、けっこう自分だけで精一杯なんですよね。

すべての精神疾患の患者が児童虐待をするわけではありませんが、虐待やネグレクトをする親は精神疾患である確率が普通よりも高くなっています。

 

たとえば、厚生労働統計協会の発表している「児童虐待と親のメンタルヘルス問題」という論文を紹介したいと思います。

この研究では、児童福祉施設に入所した被虐待児の親を調査したところ、被虐待児の親の46.1%がメンタルヘルスに問題があったそうです。

メンタルヘルスに問題がある人は、せいぜい人口の5~10%程度ではないでしょうか?

それなのに、虐待親を調査したところ半数近くもの親がメンタルヘルス問題を抱えていたのです。

つまり、メンタルヘルスに問題がある人は、子供を虐待しやすい傾向があると言えるのです。

調査では、虐待親のメンタルヘルス問題で一番多かったのが感情障害で、次に知的障害、統合失調症と続きます。

 

こういう調査は他にもたくさんあって、たとえば、子供を虐待したために逮捕された親の背景調査を東京都が行ったことがあります。

すると、虐待親に一番共通して見られたのが虐待の連鎖、次に多かったのが精神障害統合失調症や躁うつ、アルコール中毒など)という結果になりました。

※虐待の連鎖とは、親自身も親から虐待を受けており、虐待を子供の代に連鎖させてしまうことを指します。

 

このように、精神障害のある親は子供を虐待するリスクが高いという調査結果がでているのです。

虐待の連鎖についてはわりとよく知られていますが、精神障害を患っている人が子供を虐待しやすいことについては、あまり知られていないのではないでしょうか?

しかし、どれだけ親が精神的に不安定でも、子供に何をしてもいいというわけではありません。

また、子供が我慢しなければいけないという決まりもないのです。

社会的に認められないことは、いくら親が病気だからといって子供に受け入れさせてはいけないと思います。

そこの線引きがきちんとできないのであれば、子供を自分で育てず、児童養護施設に預けるべきではないでしょうか?

子供が嫌がることはやめる

精神疾患があると、何が虐待かネグレクトかすら判断できなくなることがあります。

私の親もそうでしたが、客観性が極端に無くなるので、自分が子供を叩いても怒鳴ってもそれを虐待と認識できないのです。

普通の人からしたら信じられないと思いますが、子供に怪我を負わせてもそれを虐待と認識できません。

なので、虐待していても自分が虐待していると気付かないんですよね。

それでは何を目安にしたらいいのかというと、子供にネガティブな感情や、肉体的な苦痛を与えない。これに尽きると思います。

最低限、子供が悲しんだり泣いたり、痛がったりすることをしない。

めっちゃ簡単なことだと思うのですが、これさえできない私の親のような人は少なくありません。 

 「子供は我慢して当たり前」ではない

親の中には、子供は家庭の事情を受け入れて当たり前と思っている人もいます。

それぞれの家庭に事情があるのはわかりますし、世間で認められているようなことであれば、子供に事情を説明して受け入れてもらうことはまったく問題ありません。

たとえば耳の聞こえない親であれば、子供に事情を説明して手話や筆談でコミュニケーションを取ってもらうようにするなど、こういうことは虐待でも何でもありません。

ただ、世間で問題とされているようなこと(ネグレクトやいじめ、虐待など)を、親が病気だからといって子供が受け入れて当然と思うのは間違っています。

精神疾患の親は、病気だから許されるとか、親だから許されるとかいう考えは捨てるべきですね。

何か問題が起こったときは、子供と同じ目線で解決してほしいです。