毒親育ちのブログ

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統合失調症の遺伝について子どもの立場からの意見

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2017年に発表された、デンマークコペンハーゲン大学の研究によると、統合失調症の遺伝率は約80%だそうです。

ただ発症自体は確率が低くなり、片親が統合失調症の場合は約10%で子どもが発症するとされています(厚生労働省「みんなのメンタルヘルスHP」)。

※約17%の確率で子どもが発症すると発表しているドイツの研究者もいますが、この記事は10%という説を前提に執筆しています。

つまり、統合失調症の下地というか素因(?)自体は80%の確率で遺伝するものの、全員が発症するわけではないということです。

 

ただ、発症する確率が10%とは、低くはない確率だと思います。

30人学級で3人は統合失調症になると考えると、むしろ高い確率といってもいいでしょう。

たとえば、高齢出産のダウン症の発生率とくらべてみます。

高齢出産ではダウン症の子どもが生まれる確率が高くなると言われていますが、40歳の女性が産んだ子どもがダウン症である確率はわずか1%です(The New England Journal of Medicine)。

45歳で出産した場合でも、子供がダウン症になる確率は約5%です。

それでも「確率が高い」と言われているのです。

なので、子どもがほしい統合失調症の親は、遺伝のリスクについて真剣に考えてほしいと思います。

くり返しますが、10%は決して低い確率ではありません。

何も考えずに生めるほど楽観的な数字ではないのです。

発症リスクについて子どもはどう思っている?

まず、これは私の意見になるので、統合失調症患者の子ども全員にあてはまるわけではありません。

それを踏まえてになりますが、私の母は統合失調症なので、私自身も生涯で統合失調症を発症するリスクは約10%あります。

私自身が10%の発症リスクに関してどう思っているかというと、正直低いとは思えませんが、リスク的にはギリ許容範囲ではあるかなと思っています。

これが両親ともに統合失調症の場合は、子どもの発症率は40%になるので、遺伝の面を考えると生まないでほしいです。

自分が発症するのは絶対に嫌

ただ10%とは言え、自分が発症するのは絶対に嫌ですし、仮に発症したら自殺すると決めています。

親が統合失調症でない場合は、自分が突然発症しても病気を受け入れられると思うんですよ。

病気の実態を知らなければ、まだ受け入れられますからね。

ただ、私は親の実態を間近で見ているので、発症したらどんなふうになるか知っているじゃないですか?

だからこそ、自分が発症することは絶対に受け入れられないし、受け入れるつもりもありません。

遺伝リスクよりも大切なこと

最後に、遺伝リスクよりも重視しないといけないのは、実際に子どもを育てられるかどうかだと思います。

子どもは衣食住だけ与えれば育つわけではありません。

愛情を注ぐことは不可欠ですし、最低限の社会のルールや身だしなみの整え方は教える必要があります。

患者本人に子育てするだけの精神的な余裕があるかということや、子どもの心身の不調に気づけるだけの認知能力があるかどうかが問題ですね。

病気で認知能力が低くなっていても、おそらく本人は気づかないじゃないですか?

とくに病識がないのがこの病気の特徴ですから、本人は病気になる前と同じ自分だと思いがちだと思います。

なので、本人は自分に子育てができないとは思わないんですよね。自分の病気を客観視できる統合失調症患者は、少数派ではないでしょうか?

また、統合失調症は具合のいいときと悪いときの波がありますし、再発リスクもある病気なので、祖父母もしくは夫のサポートは必須になります。

そういった周りのサポートも含めて、本当に子育てできるのかというところを、遺伝リスク以上に考えてほしいですね。