統合失調症でも一見普通に見える親~1%の異常性が問題
統合失調症患者のイメージって相当悪いですよね。
話すこともできずに、常にわめいている患者というイメージもあるのではないでしょうか?
しかし、多くの統合失調症患者は一見普通の人です。
日常生活を送れている人も多いので、あなたの学校や職場にもいるかもしれません。
今回は、私の親(統合失調症患者)が普段どのような感じだったのか紹介したいと思います。
※症状には個人差があるので、すべての統合失調症患者がこのようになるわけではありません。
一見普通に見える
第三者から見ると一見普通に見えます。
深く関わらなければという条件つきですけど。
私の親は、家ではキレることが多かったのですが、外では普通にふるまうことができました。
外で普通にふるまっていたからこそ、家では反動でストレスが爆発していたのかもしれません。
基本的に言われたことはできますし、最低限の社会のルールからはみ出さずに生活することもできます。
自分の頭で考えることが苦手なので、機械的に社会生活を送るのは得意だと思います。
なので、簡単な工場などの流れ作業や、刑事事件でも起こさないかぎり首にならない公務員としてであれば働くことも可能です。
少し関わる程度なら、統合失調症だとはわからないでしょう。
どこにでもいるコミュ障の人
別に統合失調症でなくても、コミュ障の人ってどこにでもいますよね。
相手が多少コミュ障だからといって、「この人統合失調症なのかな?」と疑う人はいないと思います。
統合失調症の親も、一見どこにでもいるコミュ障の人間です。
会話が成り立たない部分があったり、同じ話を繰り返していることも多いですが、そういう人も一般社会には少なくありませんよね。
たとえば、自分が何を話したか忘れて、何度も同じ話をするような忘れっぽい人も世間にはいます。
そういう忘れっぽい相手に対して、いちいち統合失調症なのかなと疑いませんよね?
何か思ったとしても「忘れっぽい人だな」くらいのものです。
正常性バイアスが働くのだと思いますが、多少忘れっぽいコミュ障の人を見かけても、普通の人は精神疾患を疑うことすらないんですよ。
おそらく、私の親が統合失調症だと気付いた人は今までにいないと思います。
99%の状況では普通にふるまえる
親の場合、ほとんどの状況で普通にふるまうことができます。
なので、主治医でさえ異常性に気付いていなかったんじゃないでしょうか。
具体的には、風呂に入ったり身だしなみを整えたりなど、当たり前のことは普通にできます。
まあ、髪型や服装は性別不詳で多少おかしかったですし、食事の仕方も汚いですが、精神障害者だとはわからない程度です。
掃除や料理は苦手で、一度に1つのことしかできないという極端に不器用な点もありますが、統合失調症でなくても不器用な人は大勢います。
なので、おそらく第三者から見ると統合失調症だとは思えないでしょう。
残りの1%の部分が壊滅的におかしい
99%の部分では、深く関わらなければ普通の人とそこまで変わらないように見えるのですが、残りの1%の部分がどうしようもなく異常なんですよね。
私の親の場合は、人が嫌がることや傷つくことが、なぜか楽しくてたまらないようでした。
たとえば、私に対してわざと嫌がることをして喜んだり、失敗して落ち込んでいるとおもしろがって笑ったり、傷跡がつくほど虐待して笑ったりしていました。
子供のいじめが社会問題になっていますが、ある種の大人も子供をいじめて楽しんでいます。
普通、子供をいじめて楽しむ親は子供を愛していないからだと思うじゃないですか?
ところが、私の親は子供のことは愛しているんですよ。少なくとも口ではそう言っていましたし、本人も自分は子供を愛していると信じているようでした。
ただ、内面で思っていることと実際にやっていることが正反対なんですよね。
内面と行動が一致しないのが不思議でたまりせんが、統合失調症の症状の1つに感情の不一致(アンビバレンス)というものがあり、このためだと思っています。
ひと言でいうと、誤プログラムされたロボットのような人間です。
◆感情面が根本的に異常
統合失調症になると、感情面や認知機能にさまざまな弊害が出ます。
自分や人の感情が理解できなくなるため、人の苦しみに感情移入できなくなり、残酷なことを平気ですることがあります。
もう普通の人間とは感じ方が根本的に異なっているんですよね。
普通の人間なら、病気や怪我で苦しんでいるペットを見ると、かわいそうだなと思うじゃないですか?
私の親には、そういう同情や哀れみの気持ちというものが一切ないのです。
たとえば、平気でペットを捨てる人ってよくいますけど、あんな感じですね。
普通、何年もペットを飼っていたら、少しは情が移るじゃないですか?
多少世話が面倒になっても、捨てに行くという発想にはなりませんよね。
親の場合は、ペットの世話が面倒になったら、たとえ何年飼っていたとしても平気で捨てますし、まったく心が痛むことはないようです。
◆言動の不一致
普通の人間は、最低限思っていることとやっていることが一致していますよね。
たとえば極端な話、かわいがって大切にしているペットがいたとして、「かわいいから殴ろう」とか「かわいいからエサを与えず放置しよう」とはならないでしょ?
「かわいいから殴ろう」とか、ただのサイコパスですよ。
ただ、私の親はこれに近いものがあるんですよね。
先ほども書きましたが、私に対して口では大切だと言うのにも関わらず、無視したり機嫌しだいで怒鳴ったり、ヒステリーを起こして暴力をふるったり平気でしていました。
それでも、私に対して虐待をした意識はまったくありませんでした。
本人は全然それを虐待だと思ってないんですよ。
あくまで「自分がしんどいから」「子供が悪いから」無視したり殴ったりするのであって、それを虐待とは思っていないんですよね。
何か自分にとって少しでも理由があれば(どんなに身勝手な理由でも)、子供をひどい目にあわせてもいいと思っているようです。
このあたりが、私から見るとすごく異常な部分なんですよね。
精神的に健康な親であれば、まずこういうことはありえないと思います。
千葉県野田市の女児虐待死事件で、加害者である父親が虐待を否定していましたが、あれと同じような感じです。
彼は、虐待をした意識はおそらく本当にないと思います。
はたから見ると完全に狂ってますけど、精神異常者の思考回路では、子供に怪我をさせても殺しても虐待ではないのです。
まとめ
統合失調症でも、一見普通の人と変わらないように見えます。
統合失調症患者は、重症でないかぎり、ほとんどの部分で普通の人と同じようにはふるまえます。
ただ、認知機能に障害が残ってしまうと、私の親のように異常な部分が残ってしまうんですよね。
もちろん、すべての患者がこのように人格が破綻するわけではないので、あくまで一例となります。
統合失調症で障害が残ったらどのようになるのかは、こちらの記事が参考になると思います↓
このように認知機能に障害が生じている場合は、どれだけ効果があるのかはわかりませんが、専門の病院で認知機能を回復させるリハビリを受けたほうがいいでしょう。
一見普通に見えるからと言ってそのままにしておくと、家族が犠牲になる可能性があります。