毒母のちぐはぐな身だしなみ
母は、わたしから見ると奇抜な髪型と服装をしていました。
だから日曜参観には来てほしくなかったし、友人にも見られたくありませんでしたね。
統合失調症になると、奇抜なファッションや身だしなみをするようになる人もいます。
なので、おそらくこれは病気の症状なのでしょう。
ただ、わたしは当時は母の病気を知らされていなかったので、母の恰好に対して気味の悪さしか感じませんでしたね。
どの母親と比べても、わたしの母のように妙な恰好をしている人はいないように思われました。
髪型も服装も男のようだし、清潔ではあったと思いますがなぜか小汚く見える。
組み合わせがおかしいというか、着ているものがちぐはぐなんですよね。
おしゃれをするという概念がまったくないと、こんなふうになるんだろうなという感じですね。
あと、なぜ男のような髪型をしているのか、わたしにはまったく理解ができませんでした。
おそらく、母は自分の恰好が他人からどう見られているか、少しも気にしていないんですよね。
「おしゃれをしたいけど、何を着たらいいのかわからない」というレベルではなく、最初から純粋に利便性だけしか求めていない。
たとえば、母はいつも男のように短く髪をカットして、伸びてボサボサになってきたら(普通の女性のショートカットくらいになってきたら)また美容室で髪を短くするという繰り返しでした。
なんていうか、そこまで純粋に利便性だけを求める女性って、わたしは少なくとも母以外には見たことがないんですよね。
女性なら、最低限身だしなみに気を使うし、他人からよく見られたいという気持ちが多かれ少なかれあるじゃないですか?
利便性を求めることは理解できますが、それを周囲の人間が異常に思うか思わないかは程度の問題だと思います。
少なくとも、母はわたしが異常だと思うほどには、通常の感覚とはかけ離れていましたね。
恰好が異常ということは、結局そういう恰好をしている人の内面が異常ということだと思います。
本人がその恰好に何も疑問を抱かないから、そういう恰好ができるわけであって、通常の感覚の持ち主であればとうていできるものではないと思います。
今思えば、わたしは母の恰好そのものというよりも、おそらく母の内面の異常性に対して気持ち悪さを感じていたのでしょう。
髪型や服装だけでなく、母はすべてにおいて普通の人間の感覚を持ち合わせていませんでした。
それに加えて、すぐにヒステリーを起こし怒鳴ったり暴力を振るったりするので、わたしは母のことをまるで獣のように感じていました。