親に感謝しましょうという気持ち悪い押しつけ
なんか日本の社会って、親に感謝しましょうという気持ちの悪い押しつけが根底にありませんか?
父の日や母の日も、子どもから親へプレゼントするのが当たり前みたいになっています。
子ども同士でも、母の日に何あげる?みたいな、あげることを前提にしている会話ってありませんでしたか?
しかも、親孝行をする子どもは偉いというか、親孝行をするのが善のような価値観までありますよね。
これが、もうついていけない。
親孝行をする子どもは、親孝行したいと思えるほど親から大切に(少なくとも虐待されずに)育てられたわけでしょ。
だから、自然とお返ししたいと思うのでしょう。
私もせめて普通に育てられていたら、自然に親に対して愛情や感謝の気持ちを持てていたと思うんですよね。
普通の家庭に生まれていたら、親子間の愛情を体験できたと思いますから。
でも「虐待親に親孝行したい♪」なんて思わないですね。
入社式で親への感謝の手紙?
ソースやたれを製造・販売しているお多福グループでは、新入社員の入社式は親と同伴することになっています。
そして、新入社員は親への感謝の手紙を読み上げるそうです。
このイベントは、親は子どもに感謝されて当たり前という考えが根底にありますね。
このような、企業や団体が主催する親への感謝イベントは、調べれば少なくありません。
卒園式で、児童に親への感謝の言葉を伝えさせる保育園もあります。
結局こういうイベントが普通に社会で行われているということは、「親に感謝=正しいこと」という社会的な価値観があるからと思うんですよね。
裏を返せば、親に感謝できないのは「悪いこと」ということです。
暴言や暴力、あるいは過干渉や過保護で、常に親から支配・コントロールされて生きてきた毒親育ちは親に感謝できるわけもないので、最初から社会に排除されている感があります。
親孝行の裏側にあるもの
親孝行という概念の裏側にあるのは、親が子どもに愛情を注ぎ、大切に育てているという思い込みです。
これは、すべての親が子どもを大切にしているという幻想にしかすぎません。
親=愛情深いとか、親=子どもを愛しているとか、社会で当たり前のように思われているのが気持ち悪いなと思います。
たしかに多くの親は子どもを大切にしているとは思いますが、そうでない親も少なくありません。
とくに近年は、児童相談所への虐待の相談件数が年々増えており、子どもを大切にできない親がどんどん増えてきています。
でも、すべての親を一緒くたにして、親は子どもを大切にしていると一般的に認識されているのです。
だからこそ、子どもが親に感謝して当然だという錯覚を覚える。
そろそろ、親は子どもを大切にするという幻想から、人類は目を覚ましたほうがいいと思いますね。