精神障がい者もウチとソトを使い分ける
母は家ではよくわめいたり、狂ったように私を叩いたりしていたのですが、外では極力まともな人間のようにふるまっていました。
外ではまともにふるまえる母
たとえば、母は家の中ではヒステリックに叫ぶことがよくあったのですが、外では母が叫ぶところは一回も見たことがありません。
また、母はわたしが話しかけたときには、無視したり嫌そうに生返事をしたりすることが多かったのですが、外で他人と会話するときにはそういうことは一切ありませんでした。
母と他人との会話がかみ合っていたかどうかまではわかりませんが、少なくとも母は受け答えをする努力はしていましたし、嫌そうなそぶりも見せていませんでした。
つまり、外でまともにふるまえる能力はあるけど、家の中ではそうしないということです。
外では他人から変に思われないように、まともなふりをしているんですね。
おそらく主治医の前でもまともなふりをしていたと思うので、主治医は母のキチガイっぷりは想像すらできなかったでしょう。
主治医は母のことを、すでに寛解して問題なく社会生活を送っているとでも思っていたんじゃないでしょうか。
だまされる医療関係者
重度の精神障がい者になると、ウチとソトを使い分けることさえ難しくなると思いますが、たいていの精神障がい者は健常者と同じようにウチとソトを使い分けることができます。
なので、医者や福祉関係の仕事に携わっている人は、だまされるんですよね。
福祉関係の仕事に携わっている知人から、統合失調症患者を大勢知っているけど、みんな穏やかだという話を聞いたことがあります。
はっきり言って、それは当たり前のことです。精神障がい者でも、ウチとソトを使い分けることくらいできます。
しかし、外で穏やかだからといって、家の中でも穏やかだとは限らないわけです。
母も、外では穏やかな人だと見られていたと思いますが、実際はブログに書いている通りでしたからね。
ましてや、いくら穏やかでも寛解しているとは限りません。
医療・福祉関係者は、精神障がい者の外の姿だけで判断するべきではないと思いますね。
家族は言ってもわかってもらえない
くり返しますが、精神障がい者でも重度の患者でない限り、外ではまともにふるまうことができます。
なので、精神障がい者の家族は、患者のことを第三者に打ち明けたとしても、信じてもらえないことが多いのではないでしょうか。
わたしがもし子どものころに母の病気を知っていて、周囲の人に相談していたとしても、わたしの嘘だと思われていたと思います。
一般の人に理解してもらうのは難しいかもしれませんが、少なくとも医療・福祉関係者には、精神病患者でもウチとソトを使いわけられるという事実を知ってほしいですね。